2012年6月10日 田植えをしました。

10年ほど前から、患者さんの田んぼを借りて田植えを行っている。

以前借りていた田んぼは駐車場になったため、別の患者さんの田んぼを借りて田植えを再開した。高齢化と後継者不足により、藪になった田んぼをお借りした。

1年かけて少しずつ藪を払い、1月に野焼きをして田植えの準備をした。農業をしている同級生にトラクターで耕してもらい2007年6月水田を復活させた。当時小学5年生だった息子が通っていた小学校のPTAにも呼びかけて、大勢の子供たちやお父さん、お母さんたち、近所の人々に手伝ってもらい田植えを再開した。

地主のおじいちゃんは復活した田んぼの光景を見てとても喜んでいた。お米が収穫できたら、おじいちゃんちに一番に持って行くねと約束した。収穫が近づいた頃、おじいちゃんは交通事故で亡くなった。その時のお米を御家族に渡すと共に、小学校の給食にも一日だけ使ってもらった。

給食の時間に、「日本のお米はお年寄りが頑張って作っており、今日のご飯は今はいないおじいちゃんからお借りしている田んぼからできたお米を使っています」と放送で流してもらった。ご飯を残した子供は、一人もいなかった。そのように始まった田植えを今も続けている。

その後もち米に切り換え、年末は日高医院の駐車場で毎年みんなで餅つきをしている。2007年より、中々外出ができなかった患者さんや脳性麻痺、脳梗塞後遺症の方などがゴムボートをつかって参加された。今年は、寝たきりの患者さんが娘さんたちと一緒に車で田植えを見に来られた。毎年、田植えと共にいろんな思い出が生まれて行く。