お知らせ

「生まれ変わり」を信じている

2018年5月21日

平成7年に帰郷後、在宅医療を開始し23年になります。

これまで400人以上を看取って来ました。家族の話を聴くとほとんどのケースに「お迎え現象」がありました。

すでに亡くなった親友に始まり、親戚、兄弟、そして父母という順番で本人だけに会いに来るようです。5月連休中、104才の女性が旅立たれました。自然体で介護に当たった娘さん達の話によると、既に迎えに来られている人々に見守られながら旅立ちの準備を何日も掛けて行われたそうです。

これまでの経過を細かく説明される家族は、本人しか見えない向こうの世界の状況をしっかり感じ取っているようでした。

立花隆の「臨死体験」が平成2年頃にNHKで放映されました。世界の臨死体験談を集め、そこから共通した内容を見出して行く番組でした。時を越え世界中の人々が同じような臨死体験をしているようです。その後同じような報告が出されています。

飯田史彦著の「生きがいの創造」を読むと、人は何十回と生まれ変わっているようです。宗教ではありません。退行催眠により生まれる前の世界まで記憶を辿った人々の話をレポートしたものです。過去の記録を確認すると史実と合致するそうです。

自分の人生を振り返ると、なぜ医者の家に生まれたのか? なぜ体育大学ではなく4浪してまで医学部に行くことになったのか? なぜ死に対する関心が強いのか?なぜ災害対策を含む地域医療に没頭しているのか? など考えると、偶然ではなく幾つもの人生を経験し、今回、目的を持って生まれて来て仕組まれたかのように今の仕事に着いている、そう思うようになりました。

このような内容を死期が近い患者さんと話すと、死の恐怖から解放され穏やかな表情になるのを何度も経験しました。

患者さんや家族と死後の世界の話が出来る人間関係まで辿り着けることが、

真の緩和ケアに繫がるのではないでしょうか。