お知らせ

音楽療法

2022年8月22日

「もう入院しないで最期まで家でゆっくり過ごしたい」と自然体を求める患者家族が増えてきました。

いつも賑やかに近所のお友達と歌ったり話したりしていた高齢のおばちゃんが、最近食べなくなり眠る時間が多くなったと連絡がありました。

訪問すると家族に支えられてやっと起き上がり目をつぶったまま何かモゴモゴといってます。

公民館が近くにあり、コロナが拡がる前はいつも敬老会に参加してました。これまで何度も敬老会に招待され、三味線の師匠さんと一緒に三味線を弾いたり替え歌を皆で歌ったりして来ました。

ここ数年敬老会がなく、おばちゃんに会う度に「あんころは楽しかったねぇ、また先生の三味線を聴きたいねぇ」と言ってました。そのことを思い出し、家族に「まだ回るところがあるので、それが終わってから夕方6時頃に三味線を持ってきます」と言って別れました。

夕方になり師匠さんの三味線を持って伺いました。どうにか目が開いていました。民謡をいくつか弾くと、目をぱっちり開けて「上手になったねぇ」と何度も言います。最後にゴッドファーザーで流れていたルチアーノ パバロッチの「誰も寝てはならぬ」を小さなスピーカーで流しました。その時にスピーカーを顎の下に置き口パクで大袈裟に歌いました。

おばちゃんは目を大きく開けて拍手してました。その姿を見ていた家族は大笑い。おばちゃんも大笑い。

すごいですね。音楽と笑いでこんなに元気になるなんて。例え一瞬であっても、家族と大笑いした時間が出来ました。

師匠さんに教えて頂いた三味線をもっと練習し、幸せな時間を作れるようにこれからも頑張ろうと思います。