お知らせ

アランの幸福論の紹介

2013年4月21日

現在、幸福が遠くになりつつあるような時に、アランの幸福論に出会いました。
抜粋ですが紹介します。 少しでもお役に立てればと思い書きました。

幸福になることは義務である

幸福は他人に対しても義務である
人に幸福を与えるためには自分自身の内に幸福を持っていなければならない。

幸福は自分の「手作り」である。

喜びは、行動とともにある! 幸福は「行動」の中にしかない。
山頂まで登山電車で来た人は、登山家と同じ太陽を見ることはできない。

ほしいものはすべてそこにある山のようなものだ。私たちを待っており、逃げていきはしない。だがそれゆえ、よじ登らなくてはならない。

幸福になりたいと思ったら、そのために努力しなければならない。
無関心な傍観者の態度を決め込んで、ただ扉を開いて幸福が入るように
しているだけでは、入ってくるのは悲しみでしかない。

自由に働くのはもっとも楽しいが、奴隷のように働くのはもっともつらい。
労働者自身が自分の持っている知識と経験にもとづいて調整する仕事を、
私は自由な労働と呼ぶ。

困難はいつもある。仕事を規則正しくすること、そして困難を、さらなる
困難を乗り越えること、これがおそらく幸福の公式である。

怒りと絶望はまず第一に克服しなければならない敵である。それには信じなければならない。希望をもたねばならない。そして微笑まねばならない。
そうしながら、仕事しなければならない。

人からもらった幸福などというものはおよそ存在しない・・・
しかし自分でつくる幸福は、けっして裏切らない。

伝染する情念

不機嫌な人といるとこちらも不機嫌になってしまう。
不機嫌が顔から顔にすぐに伝わり、あなたのまわりですべてが衝突する。
ものごとのメカニズム、伝染の仕方をよくとらえるがいい。
他人に親切にするには、まず自己を創造し、自分が幸福にならなければならない。そうして初めて自身の言葉で「楽しい友情」と呼ぶものが可能に
なる・・
友情の中にすばらしい喜びがある。 喜びが伝染するものであることに気がつけば、そのことはすぐに理解される。

礼節とは、・・・荒ぶる情念をなだめる体操なのだ。

ある種の雰囲気や微笑みなどのしぐさには、喜びを伝染させる力がある。
「情念の伝染を阻止しつつ、喜びを伝染させる所作」こそが礼節なのだ。

優雅とは、誰も傷つけず、誰も不安にすることのない、表現と動作の幸福である。

“幸せ”だからわらうのではない、“笑う”から幸せなのだ。

参考資料:
NHKテレビテキスト 2011年11月 教育テレビ(Eテレ)
アラン 幸福論  明治大学文学部教授  合田正人 先生

著者プロフィール:
アラン
本名エミール=オーギュスト・シャルチエ。1868年フランス北西部のノルマンディー地方に生まれる。哲学の教師としてフランス各地の高校で教鞭を執った後、41歳で名門アンリ四世校に赴任し退職まで教える。1903年「ルーアン新聞」に「日曜日のプロポ」の連載を開始。プロポの中から幸福に関するものを選んで編まれたのが『幸福論』で、1928年の第2版には93編が収録されている。