お知らせ

救急現場での医師の役割

2012年7月23日

在宅の患者さんが自宅で転倒後頻脈になっていると訪問看護からの電話が入った。

ナースが電話でやり取りしているのを聞きながら、外来患者さんの診察を行っていた。どのタイミングで往診に行くかを考えながら診察をしていると、チアノーゼと言う言葉が聞こえて来た。

外来患者さんに緊急の連絡が入ったことを話し、ナースと現場に向かった。途中で救急車を要請したと連絡が入ったがそのまま現場に急行した。半身麻痺の患者さんで右胸の呼吸音が聞こえない。

肋骨が複数折れているようだ。呼吸が浅く、両手足にチアノーゼがみられる。現場で対応できるレベルではないと判断し、直ぐにいつもお願いしている病院に連絡し救急搬送することを伝えた。表の車を出し搬送通路を作るように、玄関の置物を出して広げるように、室内のテーブルを移動しストレッチャーを置けるように指示しつつ、酸素吸入とアンビューバッグで補助呼吸をしながら救急車を待った。5分後には救急車内に搬送でき、10分ほどで病院に到着。

経過と病状を伝えると、直ちにレントゲン検査を行い緊張性気胸と診断され緊急処置が始まった。

50代後半になると救急隊員のようなキビキビとした動きはできないが、これまでの経験を生かして現場から治療までをイメージしながら露払い的な仕事はできたかなと思っている。