2018年8月19日 宮崎市婦人防災クラブ連絡協議会主催「ゆかいな仲間の発表会」で、昨年3月18日に行った避難訓練の事例報告を行いました。最初に、なぜ地域医療を行なっている医者が避難訓練を行うことになったのか、を皆さんに説明しました。
長崎の病院で仕事をしている時に被爆体験を数多く聴かせて頂きました。そこから「病気だけでなく、その人の人生丸ごと診て行きたい」と思うようになりました。1995年宮崎に帰り、地域医療を父と始めました。
2003年に父、2006年に母が他界した後、「患者さんが望む人生・患者さんが望む終わり方を支える医療」、つまり「人生をサポートする医療」を進めたいと考えるようになりました。2011年3月11日の東日本大震災、巨大津波後に「地域丸ごと、人生をサポートする医療」へと私の医療の考え方が大きく変わりました。
2001年頃から障がいのある子供さん達の山登りのお手伝いをして来ました。その時に開発した背負子や布担架を避難用に使えないだろうか?と考えておりました。
そのような経緯があり、海抜3mの場所が多い地域において、おばちゃん(中高年の女性)ばかりでどのような避難が出来るかを実証実験することになりました。
結果は、寝たきりのお年寄りを2人ほど避難タワーまで連れて行くことが出来るが、それ以上は無理。自分で歩くことができ階段をやっと登れるお年寄りが一番遅く、津波時には助からないだろうと言う結果でした。背負子については、おばちゃんがお年寄りを背負うのは困難。一番有効だったのは避難用に改良したつなぎの服でした。
しかし、総合的に考えると、やはり若い男性の力がないと効果的な避難はできないという結論になりました。さらに事例報告を「日頃から地域内のコミュニケーションを深めておく必要があります」という言葉で締めくくりました。
しかし、その後の「ゆかいな仲間の発表会」を観て唖然としました。大声で進める準備、500人の観客が大声で応援し、舞台では70代の女性たちがキレキレのダンスを披露していました。 お年寄りのダンスと表現するのがとても失礼なほどの素晴らしいダンスでした。
地域の可能性と奥深さを思い知らされました。