【その1】 百歳 女性 寝たきり。
いつも両膝を曲げて寝ていると膝が固まりますよ。
少しでも膝を伸ばしましょうか。
どうしても膝が伸びないですか。
このままだと、棺桶に入った時に下半分が空いてしまいますよ。
下半分に何を入れて欲しいですか。
「ヒダカシェンシェイ!」
えーっ! ちょっと無理!
【その2】九十歳 男性
「先生、もういいわ! もう十分好きなように生きて来た、もういい!」
そうねえ、これまでよう頑張って来ましたからね。
でもね、これからは神様が決めることですよ。その時が来るまでゆっくり
待っていて下さい。迎えは必ず来ますよ。
向こうに行ったら、知っている人たちが「お疲れさん!」と言って迎えてくれるでしょうね。
いよいよ逝くときは、古い体をこちらに残して二十代の若さになって逝くんだって。
丹波哲郎が言ってましたよ。
「そうかあ、いいねえ、先生も一緒に逝こう!」
うん~、帰りの切符があればね。
思い出に残るお二人です。