お知らせ

津波対策用に米を備蓄する理由

2017年9月27日

津波は必ず来ます。

宮崎市の広範囲が海岸に近く海抜10m以下です。市街地の多くがこの中に含まれます。行政、警察、消防、学校、医療機関の多くが、海抜10m以下の地域に含まれます。宮崎県沿岸における津波浸水想定説明資料(宮崎県)によると、10mの津波の場合、宮崎市の約20%が浸水することが予測されています。

医師として考えることは、津波による災害時にどれほどの医療機関が残るかです。多くの医療関係者も犠牲になります。その結果、負傷者の治療や病人の治療に携われる医療関係者は、限られた人数になると考えられます。

生き残った医療関係者は、多くの医療機器が破壊され、医療物資が殆どなく、これまで連携して来た病院と連絡がとれない状況で救助活動、医療活動を行うことになります。

果たして2011年3月11日の東日本大震災の時のように、自衛隊10万人が救助に来るでしょうか?
東海、東南海、南海トラフ、日向灘沖の巨大地震が発生すると、被害は東日本大震災の10倍以上の被害になるのではないかと個人的に考えております。

想定では32万人が犠牲になると言われています。東京、名古屋、大阪、高知、九州太平洋岸などは、巨大地震と津波による甚大な被害を受けると予測されます。自衛隊の救助は、被害の規模の大きい所が優先されます。

このように考えると、3日以内に本格的な救助が来るのは困難と思われます。

この様な状況下で生き残った医療関係者は、どのような状況に置かれるでしょうか。現在の超高齢化社会で、多くの医療関係者が疲弊しながら多くの患者さんの診察と治療に当たっております。更に、医療関係者の高齢化があります。

今の私自身が63才です。今は元気に地域医療を行なっていますが、今後何年先に津波が来るか分かりません。
その時に、海抜3~4mの多くの住民は、必死になって高台を目指して逃げて来ます。その時に発生する問題が食料問題です。それぞれの高台は島状に点在する形になり、それぞれを結ぶ道路は水と瓦礫で1週間以上通れないと考えた方が良いでしょう。空からの救助は、宮崎空港がまず被害を受けます。

新田原基地や、鹿児島、熊本などからの救助、救援が来ると思われますが、被害規模の大きさから考えると、どれほど時間がかかるが想像が出来ません。
その間に、助かった多くの命が衰弱により失われると思われます。
その時に医療活動に携わる数少ない医療関係者は、過労死する状況に追いやられると思われます。

以上より今後求められることは、助かった人はしっかり生き残れる準備をすることです。更に、逃げて来て助かった人々に分けられる食料を準備することです。そして、助かった人々がしっかり力を合わせて、救助、復興に向けて大きな力を発揮することです。

これからの巨大地震、大津波では、直ぐに救助は来ません。残念ながら1週間しても来ないかも知れません。

早いうちから、高台で生き抜く備えをする必要があります。
みんなの力で早めに備えをして、共に生き抜きましょう!