お知らせ

在宅医療現場の現実

2018年1月21日

2025年には団塊の世代が全て75歳以上の高齢者になます。
75歳以上が今より500万人以上増えて2,000万人を超えると推測されています。
6人に1人が75歳以上になるということです。

現実問題として病院のベッドは足りなくなります。医療費も2025年には81兆円になると予測されています。2016年の医療費は41兆円でした。2017年の国家予算は、97兆円(税収57兆円、税外収入5兆円、35兆円が借金)です。

医療費が81兆円にもなると国の財政は破綻の状況になります。
少子高齢化の日本では、病院や施設のベッド数が足りなければ在宅医療の患者が増えるのは自然の流れです。

ここで問題になるのは、在宅医療に携わる医師、看護師が絶対的に足りないことです。今でも足りない状況なのに医療関係者の高齢化が加わると、2025年以降も在宅医療を続けるのは困難という問題が発生します。

在宅医療は、基本的に介護ができる家族が居なければ現実的に無理です。家族の居ない独居の場合、多くの介護スタッフが関わる必要があります。更に、経済的にある程度の余裕がないと在宅医療は進みません。

これからの在宅医療は、ニーズが確実に増えるのに人も金も足りなくなる現状です。どうすればいいのでしょうか。

超高齢化で老老介護、認認介護が増えています。親が90歳、100歳を超えると子供も65歳以上になり、親子でも老々介護になります。

子供が先に逝くケースも増えて来ました。癌末期の在宅患者も増えて来ました。家族の医療知識が豊かになり医療内容の選択肢が増えた分、本人家族の悩みも増えて来ました。癌に限らず高齢者の治療も同様です。

本人家族がどこまでの検査や治療を希望するのか、病状を説明しつつ話し合う時間も増えました。医療事務に関する書類も増えました。

国は、過重労働による健康障害予防のために、労働時間削減を呼びかけています。しかし、地方の医療現場では医師、訪問看護師、介護師が足りません。

現場では皆過重労働になっています。国の指針通りに労働時間を削減するためには、看護師や介護師の給与を上げて労働者数を増やすか、施設利用者の数を減らしたり要介護度の高い患者さんを断ったりするしかないことになります。在宅では、家族が常に過重労働になっています。

今のところ、病診連携や医療介護連携で現場の介護負担軽減をどうにか実現できていますが、今後も続けられるか疑問です。
超高齢化・超少子化により、過重労働が一部の人々に押し付けられています。
この状況は、いずれ限界となり破綻するでしょう。

このような厳しい現実に直面していますが、このような状況下でも、生きるとは、幸せとは何かを、しっかり考える必要があります。