お知らせ

あっ しろちゃん

2013年10月26日

小学校1年の時の恩師が亡くなった。
以前から、「いよいよの時は自宅で最期まで看て下さいね」と言われていた。
何度か入院を勧めたが強く拒否され、本人の希望通り在宅での療養になった。
遠方からも孫達が集まり、介護が始まった。

家族は不安で一杯。このまま在宅で良いのだろうかと皆で話し合っている。

本人は眠っている様子。
恩師の耳元でそーっと「みんな心配してますよ、このままでいいんですか」と
聞くと、小さな声で「すみません、このまま家で過ごさせて下さい、よろしくお願いします」と布団の中で手を合わされた。
その旨を家族に伝え、本人の望むように在宅で最期まで看ることになった。

その後何度か訪問し診察を行った。

眠ることが多くなった恩師の顔を見ていると、僕の存在に気付くなり、
小学校1年の時の自分を呼ぶかのうように「あっ しろちゃん」と声を出された。52年前の自分を覚えて頂いたことに驚きと感謝を感じた。

その2時間後、家族に見守られながら、自分の決めた時間を選ぶように逝かれた。
お疲れ様でした。 先生のことを忘れません。